「ミ・ベモル」とはフランス語で「ミのフラット」を意味しています。
サクソフォンは移調楽器といわれ、アルトサックスやバリトンサックスで「ド」の音を演奏すれば実音で「ミのフラット」が鳴るように作られているところが、このアンサンブル名の由来です。ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス、コントラバスの6種類のサクソフォンだけによるアンサンブルで、クラシックを中心にジャズやポップス、演歌に至るまで様々なジャンルの音楽をレパートリーにしています。
1989年に前田昌宏の呼びかけにより結成されて以来、定期演奏会をはじめ各地での依頼演奏、FMやBS放送への出演など幅広い活動を行い、豊かな音楽性、そして繊細かつダイナミックな演奏は数多くのファンを魅了してきました。更にその活動は遠く海外にも及び、香港・上海・タイ・マレーシアといったアジア諸国から、カーネギーホール(ニューヨーク)を含むアメリカ・カナダ、さらにフランス・イタリア・スペイン・スロヴェニアなど欧州まで、コンサートツアーを幾度となく重ねています。各地のホールや教会など大きな会場のほか、公園やぶどう畑でも演奏会を開き、身近で心のふれあいを通じた国際交流を果たしています。また、YouTubeにアップされた映像には延べ150万回に迫るアクセスがあり、世界中から絶賛のコメントが寄せられています。
メンバーのうち5名は大学音楽学部で、また2名は高校音楽科でサクソフォンの専門教育を行っているほか、全員が音楽教室や講習会などを通じてその高度な音楽表現やアンサンブルテクニックを広めています。一方、前パリ音楽院教授ドゥファイエ氏や現同音楽院教授ドゥラングル氏を招聘してのリサイタルの主催、高校生との共演、講習会の開催など多方面にわたる文化活動、青少年の育成、生涯教育にも寄与しています。また、これまでの大小約100曲に及ぶミ・ベモルによる編曲・出版譜は、国内はもとより海外においてもその高い信頼性が評価され、名演奏家たちによる演奏会、フェスティバルに数多く用いられています。
近年の主な活動として、創立25周年を迎えた2014年には、東京・大阪・名古屋での公演やベルギー・スウェーデンへの演奏旅行に加え、日本初となる「日本ラージサクソフォンアンサンブルサミット」をいずみホールにおいて主催しました。翌2015年にはストラスブール(フランス)で開催された世界サクソフォンコングレスでの演奏が絶賛されたほか、「100人によるサクソフォンオーケストラ」を中心となって組織し、各国から集まった奏者と共にその演奏会を成功させました。そして、2019年には創立30周年を記念して国内外で多数の事業を展開、ミ・ベモルが主導的な役割を果たし続けてきたこのジャンルに改めて世界的な関心が集まっています。
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In 1989, a group of dedicated professional saxophone players got together under the direction of Masahiro MAEDA to pursue a new way of interpreting classical music. He created an ensemble of twenty of saxophones, having been inspired by his study in the Conservatoire National de Lyon, France. This unique ensemble consists
of 6 kinds of saxophone, Soprano, Alto, Tenor, Baritone, Bass and Tubax (contra-bass saxophone), and performs various genres of music, mainly Classic but also Pops, Jazz
etc.
Twenty professional saxophonists offer their dynamic sound as well as perfectly balanced harmony, which is comparable to an orchestra, to their audiences. The Ensemble has performed many concerts since its establishment, in Japan, in other countries in Europe, in Asia and in North America, including the one
at the Carnegie Hall in New York City. They have played not only in the big concert halls but also in churches, in the park, in the wine yard, closer to the audience.
All the members are involved in the specialized education of saxophone: as well as most of them are teaching in private music schools, four members are teaching
at Faculty of Music and three members in Music course at high schools. The Ensemble has released more than ten CDs and their videos on YouTube have received over a million views.
Today, Mi-Bémol Saxophone Ensemble is praised as one of the best ensemble in the world.
Artistic Director
Masahiro MAEDA
相愛大学音楽学部・大学院音楽研究科 教授。
大阪音楽大学卒業。フランス国立リヨン音楽院卒業。
1980年代よりソリストとしてリサイタルや協奏曲、アンサンブルコンサートほか多くの演奏会に出演し、大阪フィル、京都市交響楽団をはじめ関西主要オーケストラの客員ソロ奏者を努めるなど、クラシックサクソフォンの発展を牽引してきた。
とりわけ国際的に顕著な活躍を見せ、ヨーロッパ、北米、アジア各国にてコンサートを開催。さらにこれらの成果が認められ、1994年にはパリ音楽院より日本人として初めて講師として招待され、同時にリサイタル開催、入学試験審査員を務めた。
このほかロシア・サンクトペテルブルク芸術大学、タイ・チュラロンコーン大学、中国上海音楽院など各国のメジャーな教育機関からマスタークラスに招かれている。2018年にはバンコク国際管楽器合奏コンクール(タイ)、2019年にはアドルフ・サックス国際サクソフォンコンクール(ベルギー)審査員に招聘されている。
一方指揮者としてアマチュアオーケストラの育成にも力を注ぎ、古典派から現代曲まで幅広いレパートリーをこなしてきた。
Principals
相愛大学音楽学部非常勤講師。
奈良県立高円高校音楽科、大阪国際滝井高等学校吹奏楽コース各非常勤講師。
大阪音楽大学短期大学部卒業。ミベモルサクソフォンアンサンブル結成当初からのメンバー。色彩感豊かな音楽表現には国境を越えた賛辞が寄せられている。中高大学生など幅広い年齢層を育てるエキスパートとして多くの指導を嘱望されている。オーケストラの客演を多く務めている。
大阪芸術大学非常勤講師。
音楽教室ムジークドルフ、ESA音楽学院講師。大阪芸術大学演奏学科卒業。卒業時に学長賞受賞。
ソロリサイタルほか多数開催。サクソフォン、尺八、ピアノによる異色のユニット「トリオ・アガペ」を結成。東京、大阪、名古屋、岡山等全国各地で精力的なライヴ活動を展開している。
相愛大学音楽学部、相愛高校音楽科各非常勤講師。ヤマハ音楽教室講師。
相愛大学音楽学部首席卒業。京都市立芸術大学大学院修士課程首席修了。なにわ芸術祭、大阪国際音楽コンクール各第1位。ニューヨーク・カーネギーホールやタイ国立マヒドン大学でのソロコンサートほか、タイフィルハーモニー管弦楽団や相愛オーケストラと協奏曲を共演。ソロリサイタルの開催、オーケストラへの客演など多数出演。
奈良県立高円高校音楽科非常勤講師。島村楽器音楽教室講師。大阪音楽大学器楽科卒業。大阪芸術大学大学院修士課程修了。大阪国際音楽コンクール、長江杯国際音楽コンクールに最高位入賞。日本クラシック音楽コンクール入賞。中高生や一般バンドの吹奏楽の指導、オーケストラの客演奏者。